定期的に通院している柏市の北部にある「国立がん研究所東病院」の近くに、「こんぶくろの池」があります。
この池の入り口に、「NPO法人こんぶくろ池自然の森事務所」があり、そこで発行している資料に、以下のような解説があります。
民話によれば、この名前の起こりは、大昔、この地域のお百姓さんが、田畑の仕事の合間に、この池のきれいな清水を飲みに来ていたとのことで、馬や小鳥、鹿や兎たちもこの池に集まって、それはそれは平和な風景を見せていたそうです。
ある時、畑に出ていた若者が、手をついて腹ばいになり、池に顔をつけて夢中に飲みました。
その時、池の水が錦色に輝いているのに気が付きました。
びっくりして顔を上げると、目の前に美しいこんぶくろ(巾着=布で作った小袋)が浮かんでいました。
若者は、思わず手を伸ばしましたが、波にゆらゆら揺れているこんぶくろは、なかなか取れません。木の枝につかまって足をのばしたり、色々やっているうちにこんぶくろは、見えなくなってしまいました。
若者は、村に帰って、村人にこの話をしました。
村人は、「それはきっとコメを生む袋だんべ」と・・・・
そして、この話は次から次へと伝わり、噂に花が咲きました。
それからは、誰言うとなく、「こんぶくろ池」と呼ぶようになったとのことです。
私の郷里、讃岐地方(現在の香川県)にあった小さな村にも、これに似た昔話が残っていました。
水神さま(すいじんさま)と龍(りゅう)の話、森神(もりがみ)さまと天狗(てんぐ)の話など・・・・
湧水池や浦山には、神さまが宿り、これが龍や、天狗に姿を変えて、村人を守り、また人前に現れると住民は信じていたのでしょう・・・・
その後、村は拡大する市に吸収され、今では、このような昔話は残っているかどうか分かりません・・・・
もしかして、忘れ去られたのでは・・・・?
日本は、歴史のある、古くからの国です。
民話には、郷愁があり、夢もあります・・・・
自然を大切にし、破壊することなく、災害を受けることもなく、共存して行きたいとの思いからでもあります・・・・